炭酸カルシウムの用途と特性     
プラスチック
硬質塩化ビニル
押出成形       窓枠サッシ、パイプ、雨樋、異形品
カレンダー加工   フィルム、タイル
射出成形       各種フイテイング
軟質塩化ビニル 押出成形       電線、電横、異形品
カレンダー加工   シート、レザー、フィルム
ポリプロピレン(PP) 射出成形品     家電部品、自動車部品、雑貨
押出成形品     フラットヤーン、PPバンド、花ゴザ
射出成形品     雑貨
ポリエチレン(PE) 押出成形品     各種袋、フィルム、フラットヤーン
ブロー成形     各種容器
真空成形      (各種トレー)
ポリエステル SMC、BMCプレス成形(衛生機器、洗面台、浴槽、浄化槽、椅子)
フィラメントワインデイング(パイプ)
ハンドレイアップ (大形成形品)
EVA スポンジ、シート、玩具
フェノール 配電盤、食器、盆
エポキシ 接着剤
ナイロン 工業用品
ユリア 食器、盆
アクリル 化粧板
ゴム 合成ゴム シューズ、電線、ケーブル、タイヤ、ベルト、ホース、ゴム引布、工業部品
天然ゴム スポンジ、ゴム糊
ラテックス バックサイジング、接着剤
塗料 合成樹脂塗料、油性塗料、水性塗料、リシン塗料、トラフイツクペイント
シーリング材、コーキング材、パテ
製紙 塗工 アート紙、コート紙、グラビア紙
内添 上質紙、中質紙、ライスペーパー、インデアペーパー
合成紙 ポスター、地図
建材 人工大理石、璧装材、化粧ボード
ガラス ガラス、クリスタルガラス、光学ガラス
窯業 タイル、陶磁器、フリット、セラミック
農業 水和剤、農薬キャリア、中和剤、肥料
畜産 配合飼料、動物薬、カルシウム補給
中和 排煙脱硫、工業中和、カルシウム塩
食品 蒲鉾、ソーセージ、パン、チューインガム、ジュース、豆腐、ビスケット
医療 制酸剤、賦形剤、歯磨
顔料 チョーク、絵具、クレヨン パステル

  軟質PVC(ポリ塩化ビニル) 微粉タンカルは軟質PVC製品のほとんどに配合されている。押出加工製品では電線が代表的で、PVC電線 (600V)以下には必ずと言ってよいほど配合されている。これは微粉タンカルが一般の他のフイラ巾に比 べて可塑剤のDOP(フタル酸ジオクチル)の吸収量が低いことと、微粉タンカルを配合すると電気絶縁抵抗 (体積固有抵抗)が増大する利点などによる。配合量は一般的に30〜50部配合される。カレンダー加工製 品ではPVCシート、レザーなどが代表的で微粉タンカルは、風合の向上、印刷性向上などのため10〜30 部配合される。また、PVC壁紙になると100部以上配合される例もある。微粉タンカルは基本的に分散性 のよさ、流れのよさが特性で、その上に可塑剤の吸収量が低い。つまりPVCよりも単価の高いDOPの節約 が出来ることになり、ひいては微粉タンカルをより多く充填出来るメリットになる。微粉タシカルの表面処理 されたものはDOP吸収量がさらに低くなると共により分散性がよくなる。
硬質PVC(ポリ塩化ビニル)                        微粉タンカルは、熱変形温度を向上させると共に寸法安定性、収縮防止などの樹脂の改質の特性を有する。こ れらの特性により雨樋、サッシ、窓枠などの異型押出成形品に多く使用され、その配合量は5〜10部が一般 的である。
半硬質PVC(ポリ塩化ビニル) クッションフロア、リノリューム、PVCタイルなどの床材には、重質タンカルが多量に配合されており、特 にPVCタイルには寒水石(比較的粗い石灰石)を含む重質タンカルが200〜300部も配合される。増量 剤としての目的の外に寸法安定性、収縮防止、ソリ防止に役立っている。
FRP(繊雑強化プラスチック) 微粉タンカルは、成形材料であるSMC、BMCに多いものでは200部も配合されて、佑槽、浄化槽などの FRP各種製品となる。増量剤としての目的以外に、剛性向上(曲げ弾性率向上)、寸法安定性、収縮防止、 ヒケ・ソリの防止の特性を発揮している。
ポリオレフイン(PE、PP、EVA) PE(ポリエチレン)PP(ポリプロピレン)EVA(エチレン酢ビコポリマー)加工製品にも微粉タン カルはいろいろな改質の目的で配合される。押出成形加工の用途では、滑り止め、艶消し、ブロッキング防止、 印刷性の向上、風合の改良などの効果があり、延伸加工のタテ割れ防止効果、延伸時の低発泡による吸湿性の 向上などの特性がある。また、燃焼を抑制する作用により低発熱量の製品を作ることが出来るので無公害プラ スチックに配合される。射出成形加工の用途では、熱変形温度の向上、剛性(曲げ弾性率)の向上、寸法安定 性向上、収縮防止、ヒケ・ソリ防止などの特性で使われ、その外高比重にすることによって遮音性、防音性の 改善向上、熱伝導性がポリオレフインより低いので成形サイクルの短縮が出来る効果がある。真空成形加工で は真空成形時のタレ防止、型保持性のよさ、成形サイクルのアップなどの効果があり、EVAスポンジ加工の 用途では硬度アップの主効果め外発泡セルの均一化の効果がある。
ゴ  ム ゴム加工における微粉タンカルは、その加工性のよさから多量に使われている。他のフイラーに比べムーニー 粘度が低く、低吸油量の特長から多量充填が可能であり、カーボンブラックとかハードクレーのような補強性 フイラーと合わせて、増量剤、加工助剤として使用されている。 ゴムスポンジ加工の用途では硬度向上、発泡セルの均一化に寄与する。配合量はプラスチックに比較して非常 に多くノンカーボンブラック配合では、フイラー総量で100〜150部が普通配合される。また、ジュウタ ンの裏打ちなどに使われるゴムラテックス糊の用途では、300部も配合される例もある。
塗  料 塗料に使われる微粉タンカルは一般に「体質顔料」と言われる。体質顔料とは簡単に言うと「隠ぺい性の少な い着色自由な顔料」と言う意味である。微粉タンカルは体質顔料として、粘度調整、作業性の改良(ハケサバ キ、タレの防止)、目地止め(木などに塗料を塗ったとき、木に塗料が吸い込まれぬよう毛細管をつめる働き) などの役割で広く使用されている。また、シーリング剤コーキング剤、接着剤も同様で、特にこの分野では微 粉タンクノンの低吸油量(多量充填性)の特性があげられる。
製  紙 アート紙、コート紙などの塗工紙には、従来輸入のカオリンクレーが使われているが、粉砕分級技術の進歩に よって、より細かい超微粉タンカルが生産されるようになり、また、製紙工場でも微粉タンカルの湿式仕上粉 砕を手懸けるようになってきたことで、徴粉タンカルが大幅に配合使用出来るようになってきている。低粘度、 高濃度塗工による乾燥の省エネルギー化が特性としてあげられ、また、国内で産出する資源を利用すること自 体が安価、安定供給と言う大きな特怯である。 次に、内添の上質紙、中質紙は今まで輸入タルクを使用した酸性抄紙が主流であったが、最近効果的な各種中 性サイズ剤が開発され、中性抄紙への転換が進んでいる。この中性抄紙に微粉タンカルが使われる。微粉タン カルはなによりも安価で、品質が安定していて、色が白く、国内で調達出来る原料である。また、流動性が優 れているため高濃度内添が可能などの特長がある。しかし、微粉タンカルは抄紙機の抄紙綱(プラスチックワ イヤ)の磨耗がタルクに比べ非常に大きいため、高速抄紙機では使えないというような技術上の問題も残って いるが、これらは逐次解決されていくものと思う。
カルシウム剤 微粉タンカルの純度の高い製品は、カルシウム補強として健康食品とか食品添加物に、制酸剤・賦形剤として 医薬品に、また、歯磨、化粧品に使われる。その外光学ガラス、クリスタルガラス、セラミックスなどに高純 度カルシウム原料として使用される。