日本薬局方「炭酸カルシウム」の項目

沈降炭酸カルシウム
 Precipitated Calcium Carbonate
 CaCO3:100.09

 本品を乾燥したものは定量するとき、炭酸カルシウム(CaCO3)98.5%以上を含む。

性 状
 本品は白色の微細な結晶性の粉末で、におい及び味はない。
 本品は水にほとんど溶けないが、二酸化炭素が存在すると溶解性を増す。
 本品はエタノール又はエーテルにほとんど溶けない。
 本品は希酢酸、希塩酸又は希硝酸に泡だって溶ける。

確認試験
(1)本品0.5g を希塩酸10mL に溶かし、煮沸し、冷後、アンモニア試液を加えて
   中性とした液はカルシウム塩の定性反応を呈する。
(2)本品は炭酸塩の定性反応(1)を呈する。

純度試験
(1)酸不溶物 本品5.0gに水50mLを加え、かき混ぜながら、塩酸20mLを少量ずつ加え、
   5分間煮沸し、冷後、水を加えて 200mL とした後、定量用ろ紙を用いてろ過し、
   洗液が硝酸銀試液を加えても混濁しなくなるまで水で洗い、残留物をろ紙とともに
   強熱し灰化するとき、その量は10.0mg以下である。

(2)重金属 本品2.0gを水5mL と混ぜ、徐々に塩酸6mLを加え、水洛上で蒸発乾回し、
   残留物を水50mL に溶かし、ろ過する。ろ液25mL に希酢酸2mL、アンモニア試液1滴
   及び水を加えて50mLとする。これを検液とし、試験を行う。比較液は塩酸3mLを水洛
   上で蒸発乾固し、希酢酸2mL、鉛標準液2.0mL及び水を加えて50mLとする(20ppm以下)。

(3)バリウム 本品1.0gに水10mLを加え、かき混ぜながら、塩酸4mLを少量ずつ加え、
   5分間煮沸し、冷乳 水を加えて40mLとした後、ろ過する。
   ろ液につき、炎色反応試験(1)を行うとき、緑色を認めない。

(4)マグネシウム及びアルカリ金属 本品1.0gを水20mL及び希塩酸10mLの混液に溶かし、
   煮沸した後、アンモニア試液を加えて中性とし、これにシュウ酸アンモニウム試液を
   滴加してシュウ酸カルシウムの沈殿を完結させる。これを水浴上で1時間加熱し、冷後、
   水を加えて100mLとし、よく振り混ぜ、ろ過する。ろ液50mL に硫酸0.5mL を加え、
   蒸発乾固し、残留物を 600℃で恒量になるまで強熟するとき、その量は5.0mg以下である。

(5)ヒ素 本品0.40gを水1mLで潤し、希塩酸4mLを加えて溶かし、これを検液とし、
   装置Bを用いる方法により試験を行う(5ppm以下)。

乾燥減量
 1.0%以下(1g、180℃、4時間)。

定量法
  本品を乾燥し、その約0.12gを精密に量り、水20mL及び希塩酸3mLを加えて溶かす。
 次に水80mL、水酸化カリウム溶液(1-10)15mL及びNN指示薬0.05gを加え、直ちに
 0.05mol/Lエチレンジアミン四酢酸ニナトリウム液で滴定する。ただし、滴定の終点は
 液の赤紫色が青色に変わるときとする。
 0.05mol/Lエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム液1mL=5.0044mgCaCO3

貯法容器
 気密容器。

注 釈
 本質 制酸薬




定性反応  定性反応は、薬品の確認試験に用い、通例、その液2~5mL をとり、試験を行う。  炭酸塩  (1)炭酸塩に希塩酸を加えるとき、泡立ってガスを発生する。このガスを水酸化カルシウム   試液中に通じるとき、直ちに白色の沈殿を生じる(炭酸水素塩と共通)。
炎色反応試験法  炎色反応試験法は、ある種の元素が鋭敏にプンゼンバーナーの無色炎をそれぞれ固有の色に  染める性質を利用して、その元素の定性を行う方法である。 1)金属塩の炎色反応  試験に用いる白金線は径約0.8mmで、先端は直線のままで用いる。試料が固体の場合は  塩酸少量を加えてかゆ状とし、その少量を白金線の先端から約5mmまでの部分に付け、水平に  保って無色炎中に入れ、試験する。また、試料が液体の場合は白金線の先端を試料中に約5mm  浸し、静かに引き上げて、以下固体の場合と同様に試験する。 2)ハロゲン化合物の炎色反応  網目の開き0.255mm、線径0.174mmの鋼網を幅1.5cm、長さ5cmに切り、鋼線の一端に巻き付ける。  これをブンゼンバーナーの無色炎中で、炎が緑色又は青色を呈しなくなるまで強熱した後、冷  却し、更にこの操作を数回繰り返して酸化鋼の被膜を完全に付ける。次に冷時、この鋼網上に、  別に規定するもののほか、試料1mgを付け、点火して燃焼させ、この操作を3回繰り返した後、  鋼網を無色炎中に入れ、試験する。  炎色反応が持続するとは、その反応が約4秒間持続することをいう。